20150804_
何を隠そう、ワタシはアホウドリに興味を持っている。そのきっかけは、最近読んだ下の2冊。吉村昭の短編小説は、幕末、鳥島に漂流した男がアホウドリを食べまくって助かった話。新書の方は明治時代、日本人が日本列島周辺の無人島を巡りながら高級羽毛を持つアホウドリを乱獲しまくったという話。
で、NHKスペシャルで放送されたアホウドリに関するドキュメンタリー。内容は、いつ大噴火するかわからない鳥島に生息する天然記念物のアホウドリを、安全な島へ移住させようとする国家プロジェクトを追ったものだ。まず鳥島で生まれた雛鳥を別の島へ運ぶ。アホウドリは成長して、アラスカの海へ飛び立つが、翌年には飛び立った島に帰ってきて子育てをするので、やがてその島がアホウドリの生息地になるはずだという、未知の勝算かつ気の長いプロジェクトだ。
そして、それに携わる人たちの苦労。雛を背負ってヘリコプターまで届ける人、親鳥に代わって雛に餌を与える人、成長したアホウドリが戻ってくるのを確認する人。それらはすべて日本南端の無人島での作業で、2008年より毎年繰り返されている。